医療法人社団愛語会 要町病院

近年の治療方針

胃癌

日本では、がんによる死因の一位はとうとう肺がんになりました。二位は胃がんです。この順位は男性に言えることです。女性の一位はとうとう大腸癌になりました。胃癌は二位です。集検(胃癌の集検発見率は1000人中2-3人といわれている)や健診でチェックされ第一線医家(クリニック、胃腸科などの開業医)で発見診断される率は年々高くなり、手術例の60-70%と高く、外来胃がん全例の中でしめる早期がんの率は40-50%で年々増加しています。

早期胃がん手術2000例をまとめた論文よりみてみますと、前半の1000例(1970年代まで)は28年間の集計で手術全例の16.3%を占め、後半の1000例(1980年代)は10年間で手術され同年手術全例の39.4%を占めていました。最近は病巣も小さい段階で発見されるようになり、3例に2例は早期胃がん(内視鏡切除も含む)で占められています。そのため、最近は従来の切除範囲より狭い切除でも十分根治切除が可能であり、食道胃境界(噴門という)や、胃十二指腸境界(幽門という)の温存手術例(幽門輪温存術、横断切除、部分切除、楔状切除など)も増加しています。

また、機能温存のために神経温存も行って、患者さんのQOL(生活の質の向上)に大きく貢献しています。

大腸癌

大腸がんは、食生活の欧米化により年々増加していると言われています。がんの死因で男性は四位、女性では一位にランクされ、年々増加しているのです。検診(郵送による便潜血検査など)によるチェックや、アメリカにない国民皆保険制度により年々早期がん発見率は増加しています。

また、手術も年々変わってきています。機能温存を考慮に入れることは、患者さんのQOL(生活の質の向上)を保つ上で大切なことなのです。大腸は、結腸と直腸に分けますが、結腸の手術は吻合(腸と腸をつなぐ)方法が変わった以外、手術で切除する方法には大きな変化はありません。

直腸に関しては、肛門を温存する手術(人工肛門にしないで機能を温存する手術)は年々増加し、1980年代は40%でしたが、1990年代になると80%と上昇し、肛門管が残せると判断されますと、永久人工肛門にしなくてもすむようになりました。この事に加えて膀胱や男性性機能の神経を温存するのも70-80%と上昇しています。また、がんが進行し不幸にも膀胱に入り込んだとしても排尿口(膀胱三角)が犯されていなければ、膀胱部分切除でいい場合もあります。私どもの努力でいくらでもQOLを高めた手術ができるようになりました。また、直腸肛門に進行した大きながんができ、膀胱、前立腺、尿道に浸潤した場合、骨盤内臓を全部切除しなければならないときでも、大きな皮膚欠損部に腹直筋(腹部)や薄筋(大腿部)を有茎移植し、根治手術が出来、再発なく生活しておられる方もいます。

また、内視鏡的に切除できる例も年々増加していますが、切除できてもがんの深さを詳しく検討しないと切除したところに局所再発をし大変なことになる場合があります。

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